"自己責任"、"「転んでも一人で起きる」"の意味がわからない方は、以下の記載の事柄は適用しないように、お願いいたします。
今回の記事は場合によっては機器の破壊や火災につながるので、免責条項を書いておく。
もうここ10年ほどUSBは充電口だと思われている。
以前は5Vだけだったのが、USB-Cになってからは最大で20Vまで対応するようになった。
電流も3Aぐらいまでは当たり前、最大では5Aまで流すことができる。
詳しい仕様は後日記事にしようと思うが、これにより急速充電(いわゆる1C充電)が可能になった。
この充電、USB-Cのケーブルを使う範囲においてはUSB Power Distribution(PD)に準拠しなくてはならないのだが・・・どこの世界にも阿呆はいる。
この口だけ使って、勝手仕様な充電を実装する輩がいる。
本来USB PDの仕様では充電器と充電する機器が接続時に交渉して、どの電圧でどの最大電流で充電するかを決める。
しかしこの勝手仕様な充電、交渉もなしにいきなり5V以外の電圧で充電を始める。
当然こんな機器をUSB PD対応充電器に接続しても充電しない。
そこで世の中には"デコイ"とか"トリガー"とか言われる怪しい機器がある。
トリガーの代表格がこれだ。
充電器さえ対応していれば、古い規格も含めて5V/9V/12V/15V/20Vを充電器から取り出すことができる。
最大電流値は充電器側で決まる。
阿呆なエンジニアは、こいつを使って小規模な実験用の電源が準備ができる、という算段だ。
小さな筐体にいろいろと詰め込んでいるので操作が厄介だ。
ボタンはこういう風になっている。
トリガーを実行して所望の電圧を出すステップは以下の通り
- USB-C充電器に接続する
- メニューを進んで"PROTOCOL TRIGGER"のページまで移動する
- 右ボタンを長押ししてサブメニューに入る
- 右ボタンを押して"USB PD"まで下がる
- ここで左ボタンを押すと"PLEASE REINSERT"と表示されるので、充電器から一度切断する
- 再度充電器に接続するとエナメレートされた充電器の対応電圧/電流が表示される、この段階ですでに5Vが出力される
- 左・右ボタンで希望する電圧を選ぶ
- その電圧を使用する機器に接続する
ちなみにこちらがその「勝手仕様なUSB-C 12V」機器で、USB-PD対応の充電器で見事に12Vで充電されている。