米国で家を買う - その1

他の方のブログに触発された、そういえばこの話題は書いていなかった。
もともとこの"海外異動"のトピックは米国に住みだす/住む上での備忘録で、家を買うなど何回もやらないからいいっか、な気分があった。
気が付いたら2件買ってて、買い替えも視野に入れているぐらいなので、書いておこう。

予算を決める

これはもう簡単。
1) 頭金が20%用意できる
2) 月々のローン支払い額が税込み月収の28%以内
例えば、NYCやベイエリアにお住いの予定で、物件のお値段が$1M(約1億1千万円、全然安いほう)の場合、

頭金: $200k (約2200万円)
月々のローン: $4500 (約50万円) - すなわち月収が税込みで$16k (約180万円)以上である必要がある

まぢ?
ええ、本気(マジ)です。
田舎のほうなら結構よい状態の家でも$300kならプール付豪邸が買えるので余裕だが、都会はきびちいーっ!

住みたい場所を決める

次は候補地選び。
「私、この町にする」的なキラキラな選び方もあるが、米国は車があっても意外と不便だ。
街が大きいうえに、一つの街ではなかなかすべての用事が済ませない。
移動時間だけでも簡単に20-30分取られてしまうことも多い。
我々の生命線の日本/中華/東アジア系スーパーマーケットは郊外にあり、アクセスが悪い。
なので、「アクセスの容易さ」は、日本の私鉄沿線同様に重要な要素だ。
幸いなことに、官公庁や銀行などはほとんどネットで用が足りるので、その辺りは考慮する必要がない。

次に治安。
日本と違い、米国では安全はタダではない。
へたなところに住めば、毎日どっかでバンバン、玄関前に投げ置かれたamazonの配達物は秒で消える。
#秒は極端だが、1-2時間なら余裕だ、買い物なぞ出ていられなくなる。
瀟洒な郊外の新しくてきれいな住宅街であれば、まず問題はない。
ちょっと古めの住宅地に行くと、古くて庭の手入れも全くされていない家が続くことがある・・・要注意なエリアだ。
路上駐車が絶え間なく続き、家は古めで立て込んでいる・・・ヤバい。
路上駐車が無い、窓には鉄格子や金網、ドアは二重・・・ダメ、絶対!。
たとえ素敵なレストランやカフェが多くて人気の街であっても、治安が良いとは限らない、むしろ悪い。

筆者の場合には一番のウェイトは学校区だ。
こちらでも書いているが、現地校は住んでいる場所で通学する学校が高校まで決まってしまう。
各学校は点数付けされている、たとえばこんな
www.greatschools.org
「そんなん、気にしなくていいじゃん!」
まぁそうなのだが・・・スコアの低い高校になると、高校卒業率は5割を切る。
そういったエリアの小中学校は荒れているし、先生も全くあてにならず、この国では移民かつマイノリティな日本人は間違いなくイジメの対象になる・・・それでいいか?
一方でスコアの良い学区では「寄付もあつまりやすく、それによって良い先生を呼ぶこともできる」。

当然のことながらこういった条件を満たす物件はお高いので、最初の予算を見直す必要が出てくる。

大きさ・間取り

米国の物件はベッドルームとバスルームの数で表現される。
3bd/2.5bath、とかこんな感じ。
"0.5bath"ってなんじゃい?となるだろうが、これはトイレと洗面台だけの場合。
1bathはシャワー付きのお風呂、トイレ、洗面台がセットだ。
メインのベッドルームについているバスルーム(on suite bathと呼ばれる)はシャワーだけのこともある。
地方によっては、シャワーだけの場合には0.25換算、つまりシャワー+トイレ+洗面台で0.75bath、と表現されることもある。
「おいおいベッドルームとバスルームだけ?台所はないんかい?」
台所やダイニング、リビングルーム、洗濯室(ランドリー)は必ずついている。
つまり米国の物件は(ベッドルーム数)LDKなのだ、3bd/2.5bathなら日本表記3LDKということになる。
それらの大きさは延床面積から推定するか、実際に物件を見に行ってみるかする必要がある。
米国は床面積はsqftで表示されていてざっくり1/10平米だ、つまり1000sqftはざっくり100平米、30坪(実際には10%ほど小さい)。
3bd/2.5bathで2000sqftの家があったら、大きなリビングダイニングとキッチン、場合によってはリビングは2つ、に加えて12畳ほどの遊び部屋がついていると思ってまず間違いない。

米国の家は収納がしょぼいので、ガレージが主な収納場所になる。
ゆえにガレージがついているかどうかはとても大事だ。
アパートを除いて1もしくは2台分のガレージがついていることがほとんどだ。
アパートの場合には、自分の駐車スペースの後ろに収納スペースがあることが多い。


以上がおおよそ定まったら実際に家を見に行く。
最近はRedfinやZillowなどで広告が出る物件がほとんどなので、そこに「この週末はオープンハウス」となっている家を見に行く。
広告といっても日本のような間取り図がついていることは、新築を除くとほとんどない。
なので先ほど例に挙げた「3bd/2.5bathで2000sqft」も、リビング2つなのか、来客用ダイニングがあるのか、はたまたでっかい遊び部屋なのか、見に行って確かめる必要があるのだ。
オープンハウスの日・時間には、誰が行って見に行っても構わない。
近所のふいんきなぜか変換できない)、一番手近なスーパー・ショッピングモール、学校なども見て回れるので、なかなか楽しい。
ただ筆者のように1日で10件近くも回ると夕方には疲労困憊になるので、注意。