米国太平洋北西部地域 (PNW) の夏の過ごし方

今年の夏は日本に一時帰国していたのだが、夏の気候は米国の方が過ごしやすい。
筆者は太平洋北西部(こちらではPacific Northwest、PNWと略される)に住んでいるのだが、夏は"おおむね"過ごしやすい。

平均な夏

最高気温は24-5℃、最低気温は15-20℃と北海道や高原にいるような快適な気候だ。
朝は曇り、もしくは軽い雨で始まることもあるが、日中はおおむね晴れ。
そして日本との最大の違いは湿度 - 20-30%しかないのだ。
快適そのもの。
夜明けは5時前、日暮れは9時前後と日も長く、仕事が終わってからも外で気持ちよく運動したり、野外バーで一杯!なんてこともできる。
高緯度で太陽高度は低いので、日差しはとても強い。
しかし、なにせこの気温、湿度なので、ハイキングやジョギング、水遊びなども気持ちいい。

熱波

ときどき熱波がやってくる。
これはほとんどの場合、内陸から熱が吹き込んでくる。
最高気温は35℃以上、今年は40℃越えの日もあった。
期間は2-3日、長ければ一週間ぐらい続くこともある。
これはさすがに暑い!
なにが暑いってほとんどの家にはクーラーがついていないのだ。
しかもこちらの家は冬用にとても断熱が良いので、いちど家が熱を持ってしまうとなかなか冷めないのだ。
こんな熱波の時でも、夜から朝にかけては20℃近くまで下がるので、家じゅうを開け放ち、径が50cm以上もある大型の扇風機でガンガン家の中を冷やすのだ。
そして暑い昼間は家を閉め切って、熱が入ってこないようにして黙って過ごす。


どうしようもない時には避暑だ。
手軽な避暑は、ショッピングモールに逃げ込んで一日クーラーの中で過ごすことだ。
ちょっと遠出できる場合には太平洋まで出てしまう。
日本ではあまり考えられないが、太平洋は寒流の影響で寒い。
海岸に面している地域は最高気温が夏場でも20度に達しない日が多いのだ。
サンフランシスコに霧がよく出るのも、実はこのためだ。
なので、こちらでは「海に遊びに行く」は実は避暑だったりする。
山側のほうが熱波の影響は受けやすく、盆地が多いこともあり、えらく暑かったりする。

山火事の煙

もうひとつ夏、特に夏の終わりになってやってくるものが山火事だ。
太平洋側には2本、人間の手が入っていない山脈が南北に縦断している、その後ろにはロッキー山脈も控えている。
山の周りでは空気が膨張して積乱雲ができ、どんしゃか雷を落とす。
長く続く晴天で山もカラカラに乾燥しているので、一発で山火事だ。
どのくらい燃えるって、この写真の赤っぽい煙が全て山火事の煙。
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こいつが、太平洋岸の南風に乗って、もしくは山側からの熱波の風に乗って、だーっと流れ込んでくる。
どのくらいって、太陽が遮られて気温が下がるくらい。
太陽は昼間でも夕日かと思うぐらい色づく。
灰はふってくるし、明らかに空気が煙くさい。
昨年はこれがひどく、9月の頭に2週間近くも「健康に深刻な影響が出る注意報」がでたほどだ。


この「熱波」「山火事の煙」を除けば、PNWはおおむね過ごしやすい。
米国では夏至 - 秋分が夏だと考えられているが、「熱波」「山火事の煙」の影響があるのは2-3週ほどだ。
うまく付き合って、というか我慢して乗り切れば、他はとても快適な夏が過ごせる。