FRSとGMRS - アメリカの簡便な無線機事情

我が家はスキー一家だ。
私自身は結婚するまでスキーはやらなかったのだが、「自分のせいで子供ができないのはアカンやろ」ということで子供が生まれてから一念発起して始めた。
今では子供たちもだいぶ大きくなって、冬になればスキーに行くのが年中行事だ。
スキーに行って困るのが、家族間の連絡だ。
みな初級-中級なのだが、さすがにみんな揃って滑ることはなかなか難しい。
というと、「お昼だよ、そろそろロッジに集合」、「ぼちぼち帰るべ」などと皆に連絡したくなる。
しかし山の上では携帯電話の電波はとぎれとぎれだ。
GHzの電波ではアンテナが直接見えない限りまずつながらない。
なので、ここ数年はトランシーバ - 米国ではWalkie Talkieと呼ばれる - を重宝して使っている。


トランシーバを選ぶときに、何が判断基準になるだろう?
価格、どのくらい届くか、サイズなどなどに加えて、無線機器の場合には免許が必要かどうか、ということが重要なファクターだ。
米国ではFRS(Family Radio Service)とGMRS(General Mobile Radio Service)の2つが免許なし、もしくは簡易な登録だけで使用できる。
簡単な比較は以下の通りだ。

FRS GMRS
免許 不要 使用登録
使用周波数 UHF 462/467MHz <-
最大出力 2W 5W(一部50W)
アンテナの交換 不可能 可能
リピータの使用 不可能 可能

GMRSの運用には免許が必要だが、試験はなく、FCCに使用者を登録してお金を払う(10年間で$35)だけだ、お布施ビジネスだ。
一方、GMRSは出力が最大5W - 仕様上は一部の周波数で50Wまで発信してよいがそんなのハンディトランシーバじゃ無理 - なので、FRSよりははるかに遠距離まで飛ばすことが可能だ、アンテナの交換もOK。
FRSは端末を見てみればわかるが、ほんとにちっこいアンテナしかついていないので、これでは出力以前に飛ばない。
市中で試したところ、FRSは直線で500m、GMRSは1kmは飛ぶ - つまり空中線のエネルギーが8倍になっているのだ。
山に行けばこの倍は飛ぶので、GMRSはかなり有用なツールになる。

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