甦れ mac OS

さて前編で悲痛な叫びをあげて轟沈したMacBook Pro 2020のmac OS(悲痛な叫びをあげたのは筆者だ)。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、Apple StoreGenius Barの予約を取った。
Macには症状、すでに試した内容を書いたメモを張り付け、いざGeniusとご面会。
Genius Markは、最近Washington DCからこの地に移ってきた、遊び人仕事人。
メモをよく読んだうえで、「ありがとう、技術系だね?念のためにこちらでも試させてくれ」と、一から順々にこなしていく。

そして轟沈。

「バックアップは取ってあるかな?」、すんません、mac OSが行っちまうとは思わんで取ってなかったです。
「じゃぁ、バックアップを取るためにターゲットモードで他のMacにつないでみよう」、すんません、それも試してます。
軽々と最新のMacBook Airを取り出し、持参したMacをターゲットモードで接続して、パスワードを入力と。
・・・
・・・
・・・
読めた!!!
「読めたねぇ、自分で試したけど駄目だったんだろう?」
何が違うんだ?・・・

自分は青い方のUSB-Cポートに挿したが、パスワードを入力してもボリュームを認識しなかった(前回の記事の写真をよくご覧いただきたい)。
Genius Markは赤い方に挿している・・・USB-Cポートが全部同じように動作するわけじゃないんだ、これは気付かなった。
「ああ、Apple Storeでは必ず赤い方に挿すよ、青い方はやらないねぇ」、間違いなく見た目は同じUSB-Cでも設計上この2つのポートは違うな。


ここまでくれば後は簡単だった。
自宅に取って返し、新しいMacの移行アシスタントで元のMacに接続して完全複製。
Apple Storeに舞い戻って、Macのreviveをお願いする。
数日後には完全にキレイなカラダになったMacが帰ってきたので、今度は元のMacに新しい方から完全複製。
何のデータもアプリも損なわれることなく、MacBook Proが甦った。
Boot Campは完全に消去されたのだが、なんのなんの、そんなのこちらの通りにやるだけ、翌日には開発ツールも含めて全て復旧した。
nobu-macsuzuki.hatenablog.com


幸いなことにGenius Barでの費用は只だった。
もちろん新しいMac(中古のMacBook Air 2020、万が一を考えてMacBook Proとほぼ同等なもの)の購入費用はかかったのだが、MacBook Airはebayで高値で売れるので損をすることはない。


さて原因なのだが、Apple Storeでは原因解析などしてくれない、直ればよいからだ。
こっちはそれでは納得がいかない技術系サラリーマン、類似の件のインターネットの記事を見る限り、どうもT2のファームウェアの破損のようだ。
SSDの暗号化は個体の情報(本体のシリアル番号やマザボなどのバージョン情報)と所有者のパスワードで生成するハッシュコードを使うのが一般のようだ。
個体情報は低レベルのファームウェア内に格納されていることが多い、つまりMacならT2かCPUで最初に走るファームウェアだ。
で、T2自身が復号化コードを生成してSSDの復号化ができるようになる、のだろう。
今回はこの復号化ができず、mac OSの入っているボリュームが読み出せずに起動不能、あらゆるリカバリーはSSDの復号化が前提なので、全てダメになったというところか。
一方でターゲットモードの場合には、おそらくホストのT2が個体情報を取得して所有者のパスワードを元に復号化コードを作ることで、元のMacのT2に頼らずに外部から読み出しできるようになるのだろう。
今回のような万が一の時に外から読み出せるようにしてあるのは、良い設計だ。


ということで、今回の教訓、Genius Barは偉大でした(バックアップはまめにとりましょう、ぢゃないのかい!)。