コロナ禍に日本に一時帰国

この夏は日本に一時帰国した。
おいおい、こんな時期に日本に来るなよ、よそからウィルス持ち込む気か!のお声もあるが、入国前にPCR、入国後にPCR2回、しかもこちとらすでにワクチン2回接種済みでいわゆるfully vaccinatedな状態。
ある意味では日本にお住まいの大多数の方々よりも殺菌・消毒済みだ。
なにとぞご理解のほど、よろしくお願いいたしたく((C)日立製作所)

さて、もうしばらくは各国の渡航制限が続くと思われるので、現時点での一時帰国の手続きの覚書を残しておく。

  • 米国出国前

1.出国前72時間以内のコロナウィルス感染検査の陰性証明
いわゆるPCR検査だが、厚生省は検査方法をしているので一部の簡便な検査の結果ではダメ。
それに伴い検査証明に記載されていなくてはならない項目などがあるので、厚生省指定フォーマットに対応してくれる検査場で検査するのが吉。
フォームは随時更新されるので、ググって最新のものを入手するのが吉。
筆者は幸いこのフォームを発行してくれる検査場を自宅近くで見つけたので、そこで検査をしてもらった。

2.質問票への回答(ウェブフォーム)
空港でチェックインするときにカウンターのスタッフがしきりと「バーコード、バーコード」と叫ぶので何のことかわからなかったが、ウェブベースの質問票に回答し、それで生成されるQRコードを保存しておく(スクショ推奨)必要がある。
このコードには滞在先の住所や電話番号、メールアドレスなどが保存されて、到着空港でスキャンすることで個人情報の登録に利用される。

  • 米国出国後-日本到着前

飛行機に乗り込むと山のような書類を下さる、さすが日本、なんでも紙。
こいつらは後でバラす、しかも空港の係の方ですらどれが誰のか混乱されるので、全部のページに名前と入国日、パスポート番号を上の方に振っておくのが吉。
書類の内容は毎度変わるようなので、記録に残してもしょうがないのだが、筆者の時は自己診断書(なんで二重に提出させるかな)、滞在先の申請書(これもウェブで出したじゃん)、政府の検疫やリモートモニタリング、自己隔離に同意する誓約書など、なぜ紙ベースかわからない代物ばかり。

  • 日本到着後

いつもの「ポーン」がなってもすぐには降機できない。
その飛行機向けの検疫準備ができていることが確認できてから降機。
そのあと別のブロックに誘導され、オリエンテーリングがスタート。
書類の確認・提出、入国時PCR検査、リモートモニタリング用のアプリのインストールと設定の確認など。
書類はおおよそ2度確認されてから提出、というプロセスになっている。
ちょっと笑ったのはPCR検査場。
日本では唾液を検体として提出する検査なのだが、検体を採取する場所に梅干しの写真がかざってある。
・・・日本人以外は何だか、何の意味があるか分かるめぇ。
まぁとなりにレモンの写真もあったのだが、レモンをみてよだれが出てくるって条件反射は、どちらかというと学習な気がする。
そしてPCR検査結果が出るまで待機したあと、何人かまとめてパスポートコントロール、税関へ誘導された。

いろいろと事前情報があった。
やれ「飛行機で2時間待たされた」、「検査結果待ちが長くて死ぬ」「降りてから税関抜けるまで5時間」「いや、昨日は7時間かかった」などなど。
結果として筆者は3時間ほどでこのオリエンテーリングを抜けられた、後述の隔離先のホテルにチェックインして部屋にはいるところまでで4時間弱。
ちょっとした国(インドや中国)だと税関を抜けるまで2時間、ホテルの部屋まで4時間は普通なので、そんなにひどいとは感じなかった。

  • 3日間の強制隔離

そしてここからお楽しみ、いくつかの国・地域、具体的には現在猛威を振るっているデルタ(通称インド)株が流行っている国・地域から入国した人は丸3日、3泊ホテルに缶詰めになるのだ。
入国口でバス会社の方に引き渡されたあと、集団で誘導されバスに乗車、都内某所のホテルにチェックイン。
基本は家族単位で、そこそこ広い部屋が充てられた。
感染リスクを考えると全員別々の部屋が良いのだが、家族連れで小さなお子さんがいる場合に一人は無理なので、当然保護者と同室になる。
見ていると、明らかにティーンな親子連れでもみんな同室を希望していた、みんな寂しがり屋さんなのね。
筆者は電話会議など仕事をこなす関係で、家族と別の部屋に分けてもらった。
そして一度部屋に入ると、隔離が終わるまで出れない。
禁酒・禁煙、ご飯はお弁当で支給。
・・・
これもいうほど悪くなかった。
日本の弁当最高!
米国の固いベーグルか朝からドーナツかい!な朝食とか、あのぱっさぱさなパンに挟まったあじも素っ気もないサンドイッチ(当然マヨネーズなぞ塗られてなければ、塩コショウもされてない)のランチボックスから考えたら天国グレード。
弁当の中身も、よくある揚げ物・炒め物中心ではなく、蒸したものにあんかけとかヘルシーなものが多い。
あえて言うとビタミンCが足んない?なので、弁当には必ずお茶のパックがつく。
ホテルで出してくれるドリップコーヒーや紅茶・お茶のティーバックもおいしい、追加も対応してくださる。
海外生活するとこの辺のレベルがめちゃくちゃ低いので、日本に戻るとなにもかもがおいしい。
ちょっと運動不足なのと、アルコールなしなのがなければ最高の強制隔離。

  • リモートモニタリング

この間も含め、日本入国後14日間はリモートモニタリングされる。
毎日IPビデオ電話で所在確認。
スマホには位置情報を送信するアプリが入り、しかも一日に二回どこにいるか報告する(アプリで報告ボタンを押すと位置情報が送られる仕組み)。
(入国日を1日目として)入国後15日目までこの紐づきが続いた。

対応いただいたスタッフの方々はみなさんよくやられていたと思う。
空港は派遣社員の方と思わしき女性スタッフが書類確認や誘導など、アプリのインストールや動作確認は各国語対応のできる、しかも機種ごとの設定メニューの違いなどもよくわかってるいわゆるITエンジニアの方々が対応されていた。
聞いた話ではいわゆる空港スタッフや、各航空会社の地上勤務の方が臨時でされているとのこと。
空港からホテルまではバス会社の方々で、こちらも皆さんきびきび動かれていた。
ホテルのチェックインは旅行代理店の方々、そしてホテルのスタッフ、皆さん各国語対応で、中国系や東南アジア系の方々もたくさんいらっしゃった。
皆さんのおかげで、無事に入国、帰省先での生活を始めることができた。