Topjoy Falcon最強伝説(そう、赤ぽっちがあればね)

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9カ月以上、待ちに待って納品されたTopjoy Falcon。
筆者は2019年UMPCで最強と考えている。
UMPCでは「すべてを」ではなく、「こんまり(笑)」だからだ。

[ときめく(笑)]7"でなく8"

Topjoy Falconは、GPD Pocket 2やOne Mix 2で使用されている7"のディスプレイよりも10%ほど大きい8"のディスプレイを採用している。
WindowsのデスクトップUIはそもそも13"(*1)前後のディスプレイを対象にしているので、7"ではどうにもせせこましい。
WindowsもWinodws 8からスケーラブルUIになったので、表示スケールが選択できるのだが、200%ではどうにも物理的なサイズに対して、メニューやアイコンなどが大きすぎて、いろいろと表示しきれない。
かといってスケーリングを150%にすると、老眼にはキツい。
8"だと、すべてが10%ほど大きくなるので、スケーリングが150%でもどうにか文字も読めるし、メニューやアイコンもどうにか実用的に使えるサイズになる。
筐体が必然的に大きくなるわけだが、大きめのバッテリーを搭載できるので、バッテリー寿命も延びる。

[ときめく(笑)]eMMCでなくNVMe(M.2)

GPD Pocketのもっさりは、AtomによるものよりもはるかにeMMCによるところが大きい。
アプリの起動にしろ、Webの読み込みにしろ、必ずファイルアクセスは付きまとう。
eMMCはCMOSのシリアルインターフェースなので、ファイルのIO速度はどうにも上がらない。
PCIeベースのNVMeは、いわゆる差動シリアルなので、消費電力はあがるものの、ファイルのIO速度は段違いに上がる。
各接続方式の違いによるリード・ライトのベンチマークがあった。
www.pasonisan.com
ざっくり10倍ほど読み書きパフォーマンスが違う。
実際Topjoy Falconを使ってみると、GPD Pocketであったような「ファイルの読み書きおっせーなー」なもっさり感は皆無になる。

[ときめかない(笑)]WQXGA(2560x1600)でなく、WUXGA(1920x1200)

大外からぶち抜いたOne Mix 3や、まもなく来るであろうGPD Pocket 2 MaxはWQXGA(2560x1600)の解像度のディスプレイを採用している。
一方Topjoy Falconは7"系UMPC同様のWUXGA(1920x1200)の解像度のディスプレイだ。
スペックだけ見れば、見劣りする、スペック厨乙。
では、実際のところどのくらい解像度が違うのか、視力に換算してみる

  • 7" 1920x1200: 視力1.5相当(つまりランドルト輪の開きが1/1.5分)
  • 8" 1920x1200: 視力1.3相当
  • 8.4" 2560x1600: 視力1.6相当

(視距離400mmとして計算)
ちなみに、この視距離400mmはノーパソを使う視距離としてはかなり近い方で、普通は500mm程度だ(視距離500mmとすると、ざっくり1.25倍してもらうとよい)。
視力検査の表とディスプレイとではコントラストが違うので、これで視力検査と同じとは言えないが、目安にはなるだろう。
つまるところ、「普通の視力ですらそんなに変わんねー」なのだ。
さらに、高解像度のディスプレイは消費電力が大きい、いや半端ないダメージ食らうくらいデカいよ。
CPUをぶん回し、WiFiでガンガンデータを消費しない限り、システムの消費電力の大半はディスプレイが食う。
WUXGAなら十分な解像度で、そこそこの消費電力で済む。
WXGA(1280x800、これなら視力1.2相当)でもよいくらいだが、レティナ・ディスプレイ(大笑)が持てはやされる昨今、今さらWXGAなどだれも相手にしてくれないのだろう。

[ときめかない(笑)]Core mでなくAtom

ここに今はやりのAmber Lake Core m3-8100YとPentium Silver N5000(*2)のベンチマーク比較がある。
www.cpubenchmark.net
CPU単体の比較では、m3-8100YはN5000のおよそ1.5倍の処理能力で、TDPは20%少ない。
えぇ、じゃあAtomコアなN5000は意味ないじゃん、と勘違いをしてはいけない。
ARM vs. x86の論争がそうだが、性能は高く、消費電力は低い、などということはデザインルールが同じなら起こらない。
Core系のCPUはダイサイズが大きいので、あまり何もしてないけど、パワーゲートはできないよの時の消費電力は大きいのだ。
同様にクロック周波数もこれ以上下げられないよ、の時の消費電力も大きくなる。
つまるところ、実用的な領域ではAtomコアのN5000の消費電力はCoreのm3-8100Yよりは消費電力が低いのだ。
m3-8100Yを悪く言うつもりはないが、そこそこの負荷で動かしているとN5000ほどは消費電力が下がらない(はずだ)。
このサイズのPCで常時CPUをぶん回していることはありえないので、またしてもスペック厨乙だが、N5000でも全く問題ない。


つまりカタログスペックには現れないが、実用的な消費電力は低く、もっさりはなし、目にも優しいのがTopjoy Falconなのだ、まさに花より実を取る設計。
これでTrackPad赤ぽっちがあったら、本当に最強だったのにね。

(*1)96dpi、10" SVGA (800x600) -> 13" XGA (1024x768) -> 16" HD (1366x768)、スケーリングを200%として12"のWUXGA(1920x1200)が最適点。
(*2)もともとTopjoy Falconに搭載予定であったCPU。品不足で切り替わったJ5005は同じダイだがSKUが異なりもう少し高CLK耐性がある。つまりSSコーナーに近いものがN5000でそれ以外がJ5005なのだ。ゆえにJ5005はN5000よりは何もしていないときの消費電力が若干(スペックに出るのかなぁ、ってくらい)大きいはず。