米国で個人売買で車を売る

さてさて、転職に伴い引っ越しをすることになった。
それにあたって、通勤用に使っていた米国では軽自動車といっても差支えのない、トヨタ(南北アメリカではレクサスに続く第三ブランドが過去にあり、Scionという)iQを手放すことにした。

米国で車を売っぱらうのには、いくつか方法がある。

  • 下取り(Trade)に出す

今回は買い替えではないので、これは使えない。

  • 中古車販売業者に買い取ってもらう

大小、チェーンの業者、地元経営などいろいろある。
まずは価格を調べてみる。
米国では車の価格サイトとして、
Kelley Blue Book | New and Used Car Price Values, Expert Car Reviews
というものがあり、年式・モデル、走行距離・装備・状態と地域を入力すると、おおよその相場がわかるのだ。
果たして大手の全国チェーン、Car Maxに見積もりを出してもらったが、相場より$1500ほど低い。

  • 個人売買

これもピンキリ。
Used and New Car Sales, Review - Autotrader
のような、大手ウェブサイトもあるが、当然のように仲介手数料を取られる。
今回は個人売買情報サイトの
craigslist > sites
を使った。
ここにメーカー、モデル、車体番号(VIN)、走行距離、装備、希望価格などの情報を写真とともに掲載する。
すると匿名メールで購入希望者が連絡してくるのだ。

ここからは、個人売買の手順だ。

会う場所、時間を設定する

購入希望者と実際に会って車を見せ、試乗してもらう場所と時間を設定する。
怪しい人が来る可能性があるので、警察(シェリフやポリス)のオフィス前や、ショッピングモールの駐車場など、万が一の時に助けを呼べる場所・時間を設定する。

立ち合い者を探す

これは絶対ではないのだが、一人で会うよりは二人で会った方が安全だ。
今回は友人にお願いして、立ち会ってもらうことにした。

車を見せる、試乗してもらう

実際に会って車を見せるわけだが、米国の場合、車の整備状況などが
CARFAX™ - Shop, Buy, Own, & Sell Used Cars
で車体番号を使って確認することができる。
事前に自分の車のCar Faxを購入して購入希望者に見せると、車の情報を信用してもらえる。
試乗の際には、簡単な同意書(事故ったら責任はすべて取ってね)にサインしてもらおう。

価格交渉

これはもうただの交渉。
購入希望者はclaigslistの掲載価格より20%ほど下を指してきた。
これは事前に予想済み。
大体の場合、「本当にこれしかお金がありません」という額か、「掲載価格から10%下げたいからとりあえず20%下を指しておこう」なのだ。
筆者は自分の希望する価格より10%ほど上乗せした価格でcraigslistに掲載した。
交渉の結果、自分の希望価格で合意できた。

お金をもらう

登記書(Vehicle Certificate of Title)の裏書をして渡す

日本でいうところの車検証の裏に、売却する際の裏書をする欄があるので、走行距離、氏名を記入して、署名をして渡せば売買成立だ。

DMVに売却告知(a notice of a vehicle sale)を提出

筆者の住む州では、この後に車の登記を管理するDMVにウェブサイト経由で売却告知(a notice of a vehicle sale)をすれば、車の登記から自分の名前が抹消される。
車のナンバープレートの番号、登記番号(Title Number)、車体番号(VIN)が必要だが、買い手の情報は必要ない。


文章で書くとかなり面倒に見えるが、日本のやり方に比べると「え、これでおしまい?」というくらい簡単だった。


注意することとしては、個人売買の場合、かなり怪しい人も連絡してくることだ。
最初に連絡してきた人は「早く売れ」「$4,000でどうだ」「明日会えるか」など、短いメッセージを送りまくり。
「じゃぁ、ここで会おうね、ところでここはシェリフ・オフィスの前だからね」と送ったらち〇ち〇丸出しの写真を送ってきてくださって、音信不通。
最初から怪しかったので、向こうから下りてくれたのは、願ったりだった。
次のバイヤーはメッセージもちゃんと挨拶から始まる落ち着いた人。
会ってみると、かなり年上で、礼儀正しく明るい人。
いろいろと世間話もしながら交渉して、購入後には「こんな状態のいい車、売ってくれてありがとう」とわざわざお礼の電話をくれた。
個人売買はリスクもあるし、手間もかかるので、売価に見合わなければ、安くても中古車販売業者に売った方が楽だ。