インフルエンザに罹り病院に行く

FacebookSDK関連の投稿が途中で止まってしまったのは、インフルエンザに罹ってしまったからだ。
おそらく先週の休暇中に拾ってしまったのであろう。
月曜日の夕方ぐらいから、ここ何年感じたことがない"嫌な"寒気がし出しだした。
無理せずすぐに床に着いたのだが、寒気が止まらない。
仕舞ってあった蒲団を引き出し、追加でかけてもまだまだ寒気は止まらない、体温がぐんぐん上がっているのだ。
ようやく寒気を感じなくなった午前4時ぐらい、経験的にこれが体温が上がりきった状態のはずだ。
体温計を引っ張りだして計ってみたところ、39.4℃!十年以上見たことがない数字だ。
その間、水分は絶え間なくとり、トイレにもまめに行くが、尿を出すまで強烈に下腹部が痛い。
これ以外には、のどがやや腫れているくらい、とインフルエンザでよく聞く全身の痛み、のようなものはない。
翌日はいろいろと用事もあったのだが、やむなく会社に病欠、自覚症状からインフルエンザかも、と連絡をした。
このような突発的な熱が、今まで出たことがない訳ではない。
風邪で38℃近くまでは上がることもあるが、大概12時間で下がってくる。
熱は日中を通じて一向に下がらず、これはいよいよインフルエンザかと覚悟をする。


さて米国では、病院の役割が日本よりは細かく分かれている。
日本で言う"掛り付けの医者"はPrimary Care Doctorと言って、アレルギーやいわゆる成人病などの慢性疾患も含めた健康管理のためのものだ。
もし重病ということになれば、Primary Care Doctorが専門医を紹介してくれるのだ。
風邪やインフルエンザの様な突発的な病気もPrimary Care Doctorが対応をしてはくれるが、予約がとれないことが多い。
筆者の場合、これに加えてまだPrimary Care Doctorがいないのだ。
このような場合はUrgent Care Centerと呼ばれる病院に行く。


では、Urgent Care Centerならどこでもよいかというと、これがまた問題。
自分の契約している医療保険が使える病院でなければ、受け付けてくれないのだ。
いろいろと話題になっているように、米国ではついこの前まで国民皆保険ではなかった。
しかも医療費は日本の5から10倍ほどかかるので、医療費が払えないので医者に掛れず死ぬ、ということが起こってしまうのだ。
で、この医療保険、日本でいえば"日○生命"のような民間の保険会社が請け負っているのだ。
保険会社によって、契約している病院も異なる。
病院も営利企業なので、保険がなく医療費が払えない人は診療しないのだ。
故に、自分の契約している医療保険の使える病院でないと、病院は医療費が支払われない恐れから診療を拒絶することがあるのだ。


はたして無事近所の自分の契約している保険の使えるUrgent Care Centerを見つけ、嫁に連れられ診療を受けに行く。

  • 写真付きのID(Driving Licenseがベスト)
  • 医療保険
  • クレジットカード

を提示し、個人情報登録、問診票、免責契約書を記入して、ようやく診察。
診察は日本と同じで、血圧、体温、聴診、のどの腫れの目視。
インフルエンザの検査も日本に似ており、のどの奥の粘膜を検査具で採取して、検査するもの。
お医者さんによれば、「1-2秒しか係らずに陽性よ!」、うれしいんだかなんだか、晴れてインフルエンザの烙印を押されたのであった。
抗生物質を処方され、処方箋(Pre-scription)を持って、近くのドラッグストアへ。
米国では完全に院外処方なのだ。
ここでも、医療保険証を提示。
待つこと30分、ようやく薬を受け取ることが出来た。
ここまで、明示的な支払いは全くなし。


後で分かったのだが、医療保険の契約によるものの、医療保険口座(Health Saving Account, HSA)や契約上のデポジットがあるものは、そこから費用が支払われるため、明示的な支払いが発生しないのだ。
筆者は現在CDHPに加入しており、会社からのデポジットがある限りそこから直接支払われるようだ。
筆者は、一度筆者が払って、そこから保険会社に請求すると思い込んでおり、さぞかし高い金額を払わなくてはならないかと覚悟していたので、拍子抜けの感じであった。


(補足1) 米国ではインフルエンザにリレンザタミフルの様な抗インフルエンザ薬が処方されることは稀である。理由は高い、解熱剤なら市販薬でも十分なためである。
(補足2) 米国ではいろいろな薬を処方してはくれない、ある病状にはある病状の薬だけである。今回の場合インフルエンザに抗生物質が処方されたのは、合併症を予防するためである。つまり、インフルエンザじゃ死なない、という考えなのだ。このため解熱剤は別途購入した。